イーシャンテンの牌理(4)
ノーヘッド形のイーシャンテンについて。
結論からいうと、このパターンは
雀頭不確定形、「ターツ + ターツ」の形にするのが最も手広くなります。
特に暗刻がある場合と、ターツが複合形になる場合は
間違いなくそのようにするべきです。
例1 ツモ
テンパイチャンス | 受け入れ枚数 | |
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28枚 |
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16枚 |
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16枚 |
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17枚 |
例1において、イーシャンテンに取れる打牌と
そのテンパイチャンスを示しました。
切りが絶対的に有利なのが分かると思います。
テンパイしたときの待ちも両面待ちが保証されていますし、議論の余地がありません。
例2 ツモ
テンパイチャンス | 受け入れ枚数 | |
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24枚 |
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12枚 |
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12枚 |
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17枚 |
ターツの一方が愚形の場合、
この場合愚形ターツを払うという選択肢も有力になってきます。
ターツ2つ残しの方がテンパイチャンスは広いのですが、
ソーズが入り目のテンパイは全てカン 待ちになってしまいます。
それに対し 切りならばテンパイはやや遅れそうですが
確実に好形テンパイとなります。
愚形ターツを崩す打ち方は、その後の変化でさらにあがりやすい形にもなります。
ツモ
この形なら7種25枚のイーシャンテンで、テンパイチャンスでも「ターツ+ターツ」の形を上回ります。いつでもこのようにうまく変化するとは限りませんが、巡目に余裕があればカンチャンを崩して好形テンパイを目指すのも一考です。
テンパイを急ぐのであれば、
切りが優秀だということを念頭に入れておきましょう。
実戦でテンパイを遅らせる余裕のある局面はそう多くありません。
例3 ツモ
最後に愚形2つ残りのヘッドレスイーシャンテン。
テンパイチャンス | 受け入れ枚数 | |
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20枚 |
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8枚 |
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8枚 |
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13枚 |
この場合、好形テンパイは諦めるべきです。
リーチは好形であるに越したことはないのですがこの牌姿では望めません。
テンパイチャンスが最大の 切りが最善の選択となります。
まずはテンパイを目指し、テンパイした時にリーチをかけて攻めるか
ダマテンにかまえて危険牌を引けば引くか、どちらを選ぶか考えれば良いのです。
以上、暗刻があるパターンです。
検討して断言できることがあります。
暗刻のあるヘッドレス形ターツ2つ残しシャンテンの場合、
雀頭固定は絶対にしてはならない選択
ということです。
例3
例えば例3で
を切っての雀頭固定も悪手です。
切りと比べると受け入れ枚数に雲泥の差があります。
セオリー・まとめ
雀頭固定形より雀頭不確定形にする方が、テンパイチャンスは多くなる。
手牌に暗刻がない場合、ターツ2つ残しは単騎待ちになるかもしれない、という懸念があります。
例4 ツモ
テンパイチャンス | 受け入れ枚数 | |
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28枚 |
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16枚 |
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17枚 |
テンパイチャンスでは 切りが圧倒的なのは変わりません。
しかし を引くと単騎待ちになってしまい、
28枚中両面待ちでテンパイできるのは縦引きの12枚だけ。
これに対し、雀頭固定なら両面テンパイは確定。
さらにピンフも確定するので打点的なメリットもあります。
切りは最終的に
待ちとなった場合
より2枚少ないため、
1枚少なくても 切りの方が有利でしょうか。
か
かは、やや意見が分かれるところです。
個人的には 切りが有利だと思います。
たとえ単騎待ちになったとしても変化を待てば良いでしょう。
このピンフ形で雀頭固定するかどうかは
結論が出ていない議題なので好みで選択してもらって構いません。
ただし、ターツが複合両面形の場合は雀頭不確定形が有利というのが
現在の強い見方です。
例5 ツモ
テンパイチャンス | 受け入れ枚数 | |
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33枚 |
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15枚 |
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20枚 |
テンパイチャンスの差がますます開いています。
その上、 が入っても
切りでピンフテンパイを取ることができます。
33枚中26枚が好形テンパイになるのですから、例5は明らかに 切りですね。
例6 ツモ
ターツの一方が愚形の場合。
この場合は愚形ターツ落としが有力な一手です。
テンパイチャンス | 受け入れ枚数 | |
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24枚 |
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12枚 |
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17枚 |
テンパイチャンスはやはり 切りのターツ2つ残しですが
切りには最終的な待ちが良くなる、ピンフの確率が上がる、
さらに好形に変化しやすいという3つのメリットがあります。
特に例6はソーズが繋がっているために好形変化を見たいところです。
☆変化 ツモ
大切なのは「テンパイを遅らせる余裕があるか」を見極める力です。
終盤になれば、あがりきることよりもテンパイ料をもらうことの方が重要ですから
テンパイチャンスが多い方が有利でしょう。
それぞれの打牌の長所・短所を理解し
状況にふさわしい一手を打つのがベストです。
例7 ツモ
最後に愚形2つ残りの場合。
やはりテンパイ速度で 切りとするべきです。