手役の考え方(2)
1.手役はできるもの
基本的に手役は狙うものではなく、できるものです。
頭の中で最終形を決めて、その形に不要な牌は全て切るような打ち方を「決め打ち」と言いますが、この「決め打ち」は絶対にやらない方がいいと思います。
麻雀はツモってくる牌を自分で選択することはできません。
ツモ牌は打ち手の意志とは全く関係のないところに存在します。
したがって、麻雀はツモにあわせて手を作っていくのが鉄則です。
決め打ちは厳禁です。
例1 ツモ ドラ
ラス目でこんな8種9牌のクズ手をもらったとします。
ここでドラの から切って国士に決め打つ人は負け組です。
ドラを重ねた七対子の可能性を、1巡目から捨てるのはどういうことでしょうか。
国士を見るにしても、赤なしなら 切りもしくはでチャンタや七対子の目を残すべきだし
赤あり麻雀なら 切りでいいでしょう。親番なら間違いなく を切ります。
こんな配牌でも、役牌を重ねて上がれることがあります。
全てはツモ次第です。
「決め打ち」で得することなどほとんどありません。
いろいろな可能性を、自ら捨てるような打ち方はやめましょう。
手なりが一番良い打ち方なのです。
2.手役の利点とは
手役の価値は打点の向上だと思われがちですが、
今の麻雀ではドラ・赤・祝儀の方が収入面では強い。
それよりも、鳴くために手役は存在すると思ったほうがいいです。
例2
一見すると赤3をあがったラッキー牌譜に見えます。
でも思いっきり手役を狙った打ち方をしています。
と のトイツを落としてまで
役牌(北家なので北は役牌、東は南場なのでオタ風)を残しているのが分かるでしょう。
チップありのルールで、赤2枚のこの手はどうしてもあがりたかった。
でもメンゼンでがんばってもリーチにはほど遠い。
そこでタンヤオか役牌の手役をつけて、
鳴いてあがれる形に持っていったのです。
「鳴ける」というのは赤入り麻雀ではすごく重要なことなんです。
手役がある=鳴ける=早いという式が成り立ちます。
手役もスピードUPに使うというのが現代的な考え方でしょう。
赤入り麻雀でタンヤオが重要視されるのも自由に鳴けるからです。
3.手役の欠点
手役による差異はありますが、
やはり「受け入れ枚数を減らす」というのが一番の欠点でしょう。
例3 ツモ
たとえば例3の形であれば、 切りで234の三色を自然に狙うことができます。
例4 ツモ
しかし例4では三色を狙うと受け入れ枚数が減ってしまいます。
打牌 | テンパイチャンス | コメント | |
16枚 | 三色含み | ||
12枚 | 三色確定 | ||
19枚 | |||
23枚 | テンパイチャンス最大 |
一応三色を狙うとアガリ点は大きくなりますが
この手では テンパイチャンスが最も多い 切りが一番良いでしょう。
手役(打点)とスピードのどちらかを犠牲にしなくてはいけないケースでは、
ほとんどの場合スピードを優先したほうが良い結果が得られるように思います。
手役のもうひとつの欠点は、使用できる牌の種類が限定されることです。
たとえばドラがピンズのときにソーズのホンイツをやれば、ドラが使えません。
チャンタを狙えば、赤牌が来た時に困ります。
また、七対子テンパイした状況でリーチがかかり、自分がトイツの牌をもう1枚引いてきて困った経験がありませんか。
スピード・守備の面で手役が足を引っ張ることがある、と覚えておきましょう。