リーチを読む(1)


リーチの読みといっても、実際にどこで待っているかを読みきるのは至難の技です。
不可能といっても過言ではないでしょう。

例1

想定A ツモ

たとえば例1のリーチの手牌がA図ようなこのイーシャンテンだと読めたと「仮定」します。
しかし待ちは一点で絞ることはできません。

を引いてテンパイなら がアタリ牌、

を引いてテンパイなら がアタリ牌となります。

テンパイした時の有効牌をよく「入り目」と呼びます。
この「入り目」がある以上、待ちの一点読みはできません。

そもそも例1の捨て牌ならば、現物以外全て等しく危険牌だと思って良いでしょう。
数例あげましょう。B図~D図、全て否定できないはずです。

想定B

 

想定C

  

想定D

結局、「待ちを当てようとする」ことが間違っているのです。
「リーチの待ちは読めないし、読む必要がない」という認識を持つこと、
それがリーチ読みの第一歩です。

では、何を読むのか。
それは「牌の危険度」「牌の安全度」です。

この2つの読みを攻め・守り両方に活かせるようなら一流の打ち手だと思います。
特に安全な牌を見つけ出すスキルは重要で、放銃率にも影響してくるでしょう。

セオリー・まとめ

リーチの待ちを当てることは不可能だし、その必要はない。
特徴的な捨て牌のリーチに対して「特出して危険な牌」や「かなり安全な牌」
を把握するのが本当の読みである。

以下、「危険度の高い牌」の例を挙げます。

五の裏筋

裏筋(ウラスジ)については他のサイトでも記述があると思うので詳細は記しません。
現実的に、裏筋で危険度が高いのは「五の裏筋」と「間四間」だけです。

「5の早切りに1-4、6-9待ちあり」と昔からよく言われます。
統計的データは知りませんが、これは体感的に意識できるレベルでしょう

 例2      
   
   
   

例2の捨て牌は、 の切り出しがかなり早いことが特徴的です。

は既に捨てられているので、 の危険度がかなり高いと思います。
実際の手牌は以下。

もちろんソーズ・マンズの待ちになっている可能性も十分ありますが

ピンズに関しては が危険だと考えます。

「五の牌が早目に切られている」ということが重要です。
利用価値の高い五の牌が序盤に切られているからこそ、
手牌に 二三 あるいは 七八があると想像します。

リーチ間際に五の牌が切られても、
それがどのような形から切られたか推測しにくいものです。
浮いていたのか、57から8を引いて不要になったのか、
455のような両面から固定したのか・・・ありとあらゆる可能性があります。

例2で も捨て牌にありますが、

だからといって が他の無筋より危険とは言えないのです。

セオリー・まとめ

五が早切りされているリーチに対して、
その色の一四、六九は警戒するべきである。

間四間

間四間は「アイダヨンケン」と読み、以下の4通りのパターンがあります。

条件1
条件2
危険牌
三が早切りされている 八が捨て牌にある 四七
四が早切りされている 九が捨て牌にある 五八
六が早切りされている

一が捨て牌にある

二五 
七が早切りされている 二が捨て牌にある 三六 

2つの関連牌が5つ離れているこの裏筋を四間筋(ヨンケンスジ)と呼びます。
「早切り」というのが裏筋のキーワードで、
利用度の高い三~七が序盤に切られていることが間四間の条件となります。

 例3      
     
   

(↓はツモ切り)

序盤は字牌が並んでいるだけなので、七巡目の はやや早いと言えます。

が通っていることから、 のマンズの本線となります。
ピンズ・ソーズに関しては判断材料がなく、「全て危険」と考えるしかなさそうです。
実際の手牌は以下。

 例4      
 
 
   

(↓はツモ切り)

よく誤解されているのでくどいようですが説明しておきます。

例4で は間四間で危険牌ですが、

の切りが終盤であるため はそれほど危険とはいえません。

単純に とあればもっと早く は切られるでしょう。

四間筋は確かに危険ですが、
四間筋になる条件を正しく把握しなければ意味がありません。

リャンメンターツ落としの筋

これは「二度受けは不利」という牌理から逆に導かれるロジックです。

 例5      
 
   

(↓はツモ切り)

例5は という両面ターツを払ってリーチをしているのが目につきます。

「嫌ったのだから 待ちはない」と考えるのは初心者にありがちな発想ですが
実際にはむしろ本命ではないでしょうか。

想定A  

想定B  

AやBの形を想像してみてください。

二度受けを嫌って を落とすはずです。

そして が待ちとして残ります。
このような両面ターツを切ってのリーチは、その筋が危ないと認識しておきましょう。

セオリー・まとめ

両面ターツ落としリーチは二度受けを疑う。

カンチャン落としのまたぎ筋


やや条件が複雑ですが、危険度がかなり高いパターンです。

離れての外→内の切り巡のカンチャン落としリーチは、またぎ筋が危険となります。
言葉で説明しても分かりにくいのでこれも具体例で見てみましょう。

 例6      
   

(↓はツモ切り)

一見特徴のない捨て牌で無筋はどれも危険と思われますが、
ひとつ格段に危険な筋があります。

それが です。理由を説明します。

がカンチャン落としの形になっていますが、

途中に が切られていることから単純なカンチャン落としではありえません。

安全牌として を持たなかったのは手牌に必要だったからです。

引きの両面を見たとも考えにくい。両面をつくりたいのなら の方が優秀なはずです。

すなわち  から を切ってのリーチが濃厚だと思われます。

ここまで条件が揃わずとも、宣言牌が離れてのカンチャン落としになっている場合は
またぎ筋は危ないという認知しておくべきです。

リーチに対する危険牌読みはこの程度で十分だと思います。
もっと重要なのは次項の「安全パターン」です。


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