絞り/しぼり(1)


前回では食い仕掛けに対する守備を大まかに説明しました。
相手が仕掛けている状況で、これ以上鳴かせたくないこともありますね。
相手が鳴きたいと思われる牌を止めることを、「絞り」といいます。
この「絞り」にはどんな効果があるのでしょうか。

1.絞りの意味

絞ることにより、相手にテンパイを入れさせない。
相手のアガリを阻止するための行為です。

麻雀は相手にテンパイが入らなければ、
決して失点することはありません。
ならばテンパイさせないように、相手が欲しそうな牌は場に出さない

これが絞りの基本的な考え方です。

相手がテンパイを入れてからオリたのでは、相手がツモることもあれば、
他の2人がそのテンパイに振り込んでしまう(横移動)ことがあります。
点差を開かせない、あるいは詰められないようにする手段として絞りは有効です。

2.絞りのデメリット

自分の手牌に関係ない牌を抱えていれば、自分のテンパイは遅れがちになります。
自分の手が勝負手であれば、できる限りまっすぐ手を進めるべきです。
また、麻雀の敵は1人ではありません。

1人をマークしても、あとの2人はその分楽になります。
たまに「絞ることに快感をおぼえる」ような人もいますが、
骨折り損にならないように、無闇に絞るのはやめましょう。

3.絞るべき状況とは

(1)相手が既に仕掛けてい

当たり前のことですが、誰も仕掛けていないのに
鳴かれることを恐れてはいけません。
見えない影に怯えたりしないように。

相手が露骨に染めている場合などは別ですが・・・

(2)ターゲットが点数的にライバルである時

たとえば南2局で、自分が42000点持ちのトップ、
下家が39000点持ちの2着だったとします。

このような点棒状況であれば、当面のライバルは1人だけです。
2着の下家が仕掛けた場合、容易にあがらせないように
「絞る」という選択は十分にありえます。

(3)ターゲットの危険牌が限られている

全ての牌を止めるのであれば、ベタオリと同じです。
相手がテンパイしている前からオリると、
肝心の相手がテンパイした時に安全牌が尽きかけている、という
無残な状況になります。

ホンイツ・チンイツなどの染め手をやっている時、
役牌の後付けをやっている時、
終盤で通っていない牌が限られている時(この時はオリと変わりませんが)

など、危険牌がある程度限られていることが条件です。
危険牌が無数にある状況で絞るのは、手詰まりを招くのでかえって危険です。

つまり、序盤から絞るべきではないということです。

(4)ターゲットの上家である

相手のチーを防ぐことができるのは、上家だけです。
相手の上家でないと、絞りなんてできません。

"ポン"に関しては1枚絞っても麻雀牌は4枚ずつありますから、
自分が止めても他の人がサクッと切って鳴かせてしまい絞り損になりがちです。

上家以外で絞るのであれば、
ポンされる危険が高い牌(もしくはドラなどポンされた時の被害が大きい牌)だけにしましょう。

(1)~(4)の全てを満たしている必要はありませんが、
最低でも条件を2つは満たしていなければ、絞るべきではないでしょう。

次回はより具体的に「絞り」を考えます。


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